カテーテルアブレーション治療
私が罹った「心室頻拍」は、
「心臓の心室という部分に悪い電気信号を出す部分が発生する」事により起こる心臓の病気です。
(※心臓は電気信号で動いています)
私の場合は「右心室」に悪い部分がありました。
この病気を完治させるために行う手術が
カテーテルアブレーション治療です。
内容をざっくりと説明すると、
足の付け根(鼠径部)からカテーテルというくだを入れ、血管を経由して心臓まで進め、
「心臓の悪い電気信号を出している部分を高周波エネルギー通電で焼き、悪い電気信号を出さなくする」
という内容です。
それと並行して心臓の状態を映像で確認しながら進めるため、造影剤を入れるためのカテーテルも手首から挿入されながら行われます。
一般的に安全性の高い治療法で、一度の治療で84%以上の完治率。
死亡率0.1%以下。合併症頻度は0.5%程度という非常にありがたい治療です。
手術時間は私の場合、約3時間くらいでした。
麻酔は局所麻酔。
最初にカテーテルを挿入する部分2ヵ所(鼠径部と右手首)に注射で麻酔を打たれました。
注射なんでどうしても多少痛いです。
麻酔が効いてから、カテーテルを挿入する部分にシースと呼ばれるカテーテルを入れるためのガイドとなるくだが挿入されます。
その時が一番痛かったな~。(汗)(※痛みが強すぎれば麻酔を足してくれます。今思えば足してもらえばよかった…。)
その後にカテーテルが挿入され心臓まで進んでいくのですが、その時は全く痛みは感じませんでした。
そして並行して手首からも造影剤を入れるためのカテーテルが挿入されますが、それも同じく痛みは感じません。
カテーテルが心臓に到達した後、手首から挿入されたカテーテルから造影剤が投与されます。
その時は心臓が熱くなるような感じがありましたがそんなに辛くはありません。
それから心臓内でカテーテルを動かしながら意図的に電気信号を加え、どこが悪い部分なのかをさぐります。
この探す作業に時間がかかります。
どのくらいかかったかは記憶が薄れているのですが、手術の半分以上はこの悪い部分を探す作業の時間だったと思います。
そして場所が特定できたら、いよいよ悪い部分をカテーテルで焼く作業になります。
1回につき10~15秒位で、私の場合それを15回ほど行われました。
これは痛みが伴います。
胸からあごや肩に広がるキーンと鋭い感じの痛みです。
ですが最初にシースを挿入されるときの痛みの方が強かったです。
ドクターも度々痛みが強すぎないか聞いて下さり、安心でした。
その焼く施術を5回くらい繰り返し、10位休憩をとる、という流れを3回繰り返してトータル15回ほどおこないました。
その後、治療効果の確認としてまた意図的に電気信号を加えられ、悪い動きが出ないかを確認されます。
それで心室頻拍が出なくなれば終了となります。
最後に挿入時に痛かったシースを抜かれるわけですが、その時も痛かった。(汗)
それで約3時間。手術は無事終了しました。
術後はベッドのまま病室に移動され、その後3時間ベッド上安静となります。
カテーテルを挿入した鼠径部と手首はガーゼで止血されるのですが、動脈にカテーテルを挿入した「手首」は、バンドで6時間、きつく圧迫されます。(鼠径部は静脈挿入のためガーゼのみでした。)
空気を入れて締め付けるバンドで、2時間おきに少しずつ空気を抜かれて徐々にゆるめられ、3回目でバンドを外されるのですが、着けている間痛くて時間も長いししんどかったです。
ですが手術の傷自体の痛みはほとんど気にならず、無事手術が終わったという安堵感もあり、気持ち的にはおだやかでした。
この治療を経験した感想としては、シース挿入される時と最後抜かれる時が一番痛みを感じましたが、人により麻酔の効き具合で痛みの強弱はあると思います。
痛すぎれば麻酔を足してもらえます。
そして心臓を焼灼する時も胸の痛みを伴いますが、十分耐えれる程度でした。
局所麻酔なので当然ずっと目が覚めているわけですが、医師や看護師が度々しゃべりかけて気遣ってくれたので恐怖感が薄れ、安心感しながら受けることが出来ました。
手術の傷に関してはきれいに無くなり、全くどこだかわかりません。
術後の傷の心配をする必要はないと思います。
手術中も術後も、負担は軽い方の手術だと思います。
こうして、私が罹った「心室頻拍は完治」しました。